申告書は税務署に問題なく収受されるのですが、なかには「相続税を間違って多く納めてしまった」という場合が考えられます。このような場合は相続税の還付を受けることができます。ご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。相続税の申告をしたことがあるものの「相続税を間違って多く納めてしまった」事実に気が付かないままということもあり得ます。相続税の申告を経験したことがある方は一度確認することをお勧めします。
どうすれば払いすぎた相続税の還付を受けられるのでしょうか。「更正の請求」という制度を利用します。税額等の計算で間違ってしまった内容について記載した書類(電子申告データ)を作成し、その根拠となる資料を添えて税務署に提出します。税務署は請求された内容を精査し、その請求が適正であると認めた場合は、納税者が多く払い過ぎた相続税を還付します。
ところで、相続税を間違って多く納税してしまうケースとはどのようなものが考えられるでしょうか。例えば、相続税の申告書を作成した税理士の方が相続税に慣れていなかったために、相続税を計算する際の財産評価が適切になされず、割高な評価額で相続税の申告をしてしまった場合などが挙げられます。そしてこのケースで特に注意が必要なのは「土地」に対する財産評価です。この土地は宅地なのか農地なのか、自己使用か賃貸しているものか、所有割合、立地条件、形、容積率、都市計画道路予定地か、坂道か、地積規模が大きいかなど、非常に多くの評価額形成要因があるのです。これらを活用するかしないかで相続税額は大きく変動しますし、すべての税理士が十分な知識を備えているわけではありません。
それでは、相続税の知識が豊富な税理士をどのように見分けたらいいのでしょうか。まずは、公開されているホームページに「相続」についての情報が掲載されているか、という点が挙げられます。税理士という職業は多種多様な案件に携わりますが、それぞれの方々が「得意な分野」をお持ちです。聞きづらいかもしれませんが、ご担当されている税理士の方に「昨年何件相続の案件をご担当されましたか?」とお聞きいただくのが最も確実です。年間で10件以上の相続案件に携わっている税理士の方であれば、依頼しても問題ないと考えます。
もし相続税を間違って多く納めてしまったかもしれないと心当たりがある方は一度確認してみることをお勧めします。場合によっては数百万円の納めすぎた税金が還付される可能性もあります。気になる方はお気軽にご相談ください。
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